先日、急ぎで書類を作成しなくてはならないという仕事がありました。



さあ気合いを入れて仕事にとりかかろうと思い、書斎に向かっていたのですが、


ふと気がつくと、なぜか掃除を始めてしまっていました。




「あれっ?」


急がなければならず、時間の余裕もないし、

今、掃除をする必要もないのに、どうしてそれをしてしまったのか・・





我に返って、自分の心の中をのぞき込んでみました。



すると、もやもやとした感じの中に、




  “仕事から逃れたい気持ち”


  “掃除をすることで目先の充足感・満足感を得たい気持ち”




がありました。





「でもそれだけじゃない・・ それは本当じゃない・・」





目を閉じて、心を鎮めて、さらに心の奥底を静かに感じてみました。




すると、その奥底に、

小さくて、かすかに感じるのですが、でも確かに居ました。



それは、




    “損したくない自分”


    “怖れている自分”


    “悲しんでいる自分”





■これだけ時間をかけて苦労して仕事したのに、

それに見合った成果・対価が得られなければくやしい、という“損したくない”気持ち。


■もっと別に自分の好きなやりたい事があるのに、

貴重な時間や体力をそんな仕事に費やしたくない、という“損したくない”気持ち。




◆その仕事がうまくできなかったらどうしよう、という“怖れ”の気持ち。


◆人に評価されなかったらどうしよう・自分の才能のなさを思い知らされたくない、という“怖れ”の気持ち。




●嫌な仕事なんかしない!と言えないような弱い自分の境遇を受け入れなければならない、という“悲しみ”の気持ち。


●人間は、心の奥深くに、損したくない・怖い・悲しい気持ちを隠して生きる存在である、ということへの“悲しみ“の気持ち。






小さくうずくまって、それらの気持ちを一身に受けてじっと耐えているもう一人の自分がいました。



私は、目をそらさず、これらの気持ちを全身で感じながら、しっかりと味わいながら、

その小さくうずくまって坐っている自分に、こう言いました。




  「損してもいいよ」


  「怖がってもいいよ」


  「悲しんでもいいよ」





かすかな感じだけど、何か心の中に、

小さな、でも確かに、やすらいだ感じの『力の源』が生まれた気がしました。





無意識の行動は、

心の奥底からの訴えであり、悲鳴であり、また逆に、幸せへの気づきなのかもしれない。





無意識の行動に潜む、自分の心の深いところに 『気づきの光』 をあててあげることは、

心の魔を祓うことだと思うのです。
















・・・


その後ですが、




やりかけた掃除は気の済むところまでやって、

お茶を飲んでちょっと休憩した後、


書斎に行ってすぐ椅子に座り、

何も考えずに淡々と、書類作成仕事のとっかかりの行動をちょっとだけしました。


具体的には、パソコンの電源を入れて、書類のワードファイルを立ち上げただけですが・・




すると自動的にエンジンがかかり、

気が付けば夢中でその仕事をしていました。





これは実践的な話になるのですが、


『心が行動を生むのではなく、行動が心を生むのだ』(悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ)

という行動心理学的な考えにより、

つべこべ言わず、まずは小さな行動を1つすることによって、

やる気が生まれて(脳はその行動を続けようとし)、その仕事をすることができたのだと思います。

ちなみに、仕事をしている間、雑念は消えていました。




まずは、あれこれ考えず結果や効率など気にせずに、

小さなとっかかりの行動を、ほんの少しでいいのでやってみてはいかがでしょうか。


蒸気機関車も、動き始めてしまえば、逆に止まらなくなりますから。

さあ、石炭に火を付けることから始めましょう。






魔を祓うというのは、なにも、心(考え方)だけの話ではありません。



ああなりたい、こうしたい、と思っているのならば、
(したくない、嫌だ、という仕事に対しても同様)

その目標に対して、どんなに小さな1歩でも、“行動”しなくちゃ何も始まりません。




勇気をもって小さな1歩を踏み出す、実際に行動する、ということも、

魔を祓うために大切なことではないでしょうか。




私達は、あの世(常世)に生きているのではなく、

生身の体を持ってこの世界(現世)に生きているのですから。







・・・

えらそうに言ってますが、

これは、自分に対する戒めでもあります。^^




心と体は切り離せません。



心と行動の両面から、魔を祓う修行を一緒に続けていきましょう。













                                        

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